山崎まゆみのいい湯だな

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DIARY 日記・エッセイ

2017年03月11日

#震災から6年

震災から6年になりますね。
あの日、私は九州新幹線開通の取材で九州にました。
何もできないもどかしさ、大きな喪失感のような、
言い様のない不安が押し寄せてきました。

震災から4日か5日程経った頃だったように記憶していますが、
福島県東山温泉向瀧に連絡をしてご主人の声が聞けて安心していると
「あ、余震だ」と。
電話の向こうの状況に胸が痛くなったのをよく覚えています。
同時に脇で電話が鳴り、それは常連さんからの電話で、
「お手伝いできることがあれば」との連絡だと聞き、
向瀧さんがこれまで築かれたお客さんとの密なる関係性があってのことなのだと感じました。

宮城県側の蔵王山中腹にある峩々温泉は、
暫く休業を余儀なくされる程被災しながらも、
夏には石巻の少し先の集落の小竹浜のご高齢の皆さんを湯治に招待しました。
同行取材した私もお客さんの背中を流しました。
そんな話を当時『新潮45』にルポしました。
そして峩々温泉の活動は今も続いています。

凄まじい体験は物事の本質をうつし出す、
あぶり出す瞬間があります。
あの時、旅館が果たす役割、温泉の意義を感じ入りました。

そして震災当日に東北の旅館さんがどう対応されていたか、
復興に向けて旅館とお客さんの交流を「湯がつなぐ人の絆(全10回)」と題して
共同通信で連載しました。

#温泉 #峩々温泉
#温泉 #向瀧 #福島

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